BC州の木材産業は、新型コロナウィルスへの対応で、通常通りの操業ではありません。しかし、沿岸部製材所では、活動再開の要件を満たすよう、作業の進め方を工夫し、シフト制で操業しており、この状況に順応しながら操業を継続しています。
ウエスタンレッドシダーは堅調で継続的な受注があり、質の良いクリア材は価格も安定しています。内陸部では原木の供給が逼迫しており、その結果、工場に納品される原木の量は少なくなっています。供給量が不足するにつれ、タイトノットの価格は上昇すると見られています。
ダグラスファーやヘムロックなど他の沿岸樹種はレッドシダーの生産量に匹敵し、価格は安定しています。ダグラス・ファーについては、山火事の発生やバンクーバー島で積雪が長く残ったことで原木不足に陥った2018年と2019年から価格は高止まりしたままです。注目すべきは、ハイエンドブームによって、以前に比べて原木のサイズは小さく、木目は広くなっていることです。これがヘムロックにも影響して、ヘムロックとバルサムのミックスではバルサムの割合が高まっています。
世界中であらゆる変化が起きているなか、私たちの眼の前にも変化が迫っています。BC州政府は、輸出向けのウエスタンレッドシダー、イエローシダー、ダグラスファー、ヘムロックの寸法に関する規制変更を提案しました。利害関係者やロビイストによって論争となり、土壇場で決定が延期されました。その結果、北米では購入が急増しています。規制変更は9月まで延期の予定です。
米国と欧州の需要は4月から5月にかけて沿岸部樹種については堅調でしたが、将来は不確実です。というのも、建設業界が消費者需要に左右される市場の力に対応する一方で、企業は新型コロナによる景気減速の現実に向き合っているからです。
ほとんどの企業は全体で10-15%の減益となっており、これは季節的な標準を上回っています。これまで保留していたプロジェクトが再開され、新築やリフォームで需要の兆しがあります。ビルダーやデベロッパーは、既存のプロジェクトを完成させることや、消費者からの期待と第二波の可能性に基づいて新規プロジェクトを開始するかどうかを決定することが困難な状況にあります。
いずれにしても、木材業界が回復力を示し、経済と日常の生活に戻る道を見出しているのは良いことです。
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寄稿 Richard Kaufmann リチャード・カフマン
Silva Timber Products CEO
HP：http://silvapanel.com
カナダ国内外の木材業界で、原木から高付加価値製品製造まで幅広い経験を持ち、財務業績を向上させるなど実績のある経営者。 Silva Timber Productsは、最高品質のウエスタンレッドシダーにこだわった内外装材を製造。☆☆☆☆取得の内装パネルは、安心・安全な美しいインテリア空間を提供します。
お問い合わせはBCウッドへ bcwood@bcwood.jp
